事業再生

このページは、「事業再生」に特化しており、主に「相談の流れ」と「再生手続きの流れ(私的整理の例)」について、説明を行っています。

事業再生の流れ FOR FLOW BUSINESS REVITALIZATION

相談

下記のような場合のご相談が数多くあります。
いずれかのケースに該当する場合は、電話・メールでお気軽にご相談ください。
(初回ご相談は無料です。)

  • 利益が思ったように出ない。
  • 利益は出るが、金融機関への返済額が重くて苦しい。
  • 頑張っているが、現預金が思うように残らない。
  • 仕入先への支払いや金融機関への返済などの資金繰りが厳しい。
  • 金融機関から事業計画の提出を求められている。
  • 金融機関に返済の減額や長期的な返済への変更を依頼したいと考えている。
  • 既に金融機関への返済額の減額や返済期間の一時的な猶予を行っている。
  • 仕入先への支払いさえ出来れば、事業は円滑に回っていき、今後立ち直ると考えているが、今が厳しい。

面談

まずは、下記資料をご持参頂き、面談を行います。
最初はお持ちいただけるものだけで結構です。
面談場所は、ご希望に応じて、貴社もしくは弊社事務所で行います。

資料の例
  • ・会社案内(会社の事業内容や概要が分かるもの)
  • ・決算書や税務申告書類(過去3 年程度)
  • ・直近の試算表、資金繰り表、事業別や商品毎の売上/ 利益の管理資料など

面談の結果

[1] アドバイスのみで済むケース

無料です。

※但し、重ねて複数回の面談・アドバイス等をご希望される場合は、
ご相談料を頂く場合がございます。ご了承ください。

[2] 具体的な改善や支援が必要と考えられるケースで、金融機関への調整までは必要としない場合

(自社だけで、金融機関に対する調整が可能なケースも含みます)

事業利益の拡大、資金繰りの改善などの目的に応じて、事業計画策定、
資金繰り改善、マーケティング支援などの各種支援を行います

[3] 具体的な改善や支援が必要と考えられるケースで、金融機関への調整が必要と考えられる場合【私的整理】

金融機関の求める事業計画(一般に「再生計画」、「再建計画」、「経営改善計画」等と言われます)の策定や、事業継続に必要な資金繰り改善などを進めます。
また、状況に応じて、会社と金融機関の間での意見調整のアドバイス等も含めた事業再生支援を行います。

(これらを一般的に、【私的整理】といいます。)

私的整理(私的再生)は、個別に債権者と交渉・調整を行い、示談や和解等によって権利の変更を行うことで、再生を目指す手続きです。
④の法的再生のような裁判所の関与が行われない手続きです。
私的再生にあたっては、事業の取引関係に直接関係しない金融債権者(借入先金融機関)と会社の間での交渉・調整を行います。
つまり、事業の取引関係者への影響を与えない(もしくは最小限に留める)という事業継続の観点からは、会社にとって大きなメリットとなります。

[4] 上記の【私的整理】による方法では困難なケースや、【法的整理】の方が適している場合

法的整理とは、裁判所の関与下で行われる法的な手続きを利用する手法のことをいいます。法的整理の手続きとしては、再建型の手続きである民事再生、会社更生、特定調停と、清算型手続である破産、特別清算などがあります。
法的整理の手続きの中で、再生に用いられるものは、通常は再建型手続が多いのですが、清算型手続でも事業譲渡などを行うことにより法的再生の一手法として用いることができます。上記の各手続の中から、資金繰りや経営状況、取引関係等申立をする企業に応じた手続を用いて事業の再生を図ります。
私的整理と比較した場合に、手続きの透明性や公平性が担保され、債権者に対して法的拘束力を及ぼすという特徴が挙げられます。
金融機関などの債権者から見て、私的整理のほうが回収額が高くなる場合が多く、企業側としても少しでも責任を多く果たせる(多くの債務を返済できる)うえ、事業の取引関係者(仕入先等)に迷惑を掛けずに再建を進めることが可能な私的整理を検討し、その後に法的整理を選択する傾向が一般的に多いと言えます。

事業再生の流れ

ここでは、【私的整理】の中でよく行われる再生手続きの流れ(一例)について、説明を行っています。

0.現状の確認

資金繰り状況の把握

まず、近い将来の資金繰りについて、確認を行います。
資金繰り状況がひっ迫している場合には、必要に応じて、金融機関への元本返済の一時的な猶予(返済繰り延べ)の依頼や、資金手当の方法等について検討を行います。
目安としては、少なくとも3ヶ月~半年先までの資金繰り目処が立つようにすることが大切です。
この間に、以下の「1.実態把握」~「4.金融機関の同意」を目指します。

1. 実態把握

主に下記の事業調査・財務調査等の調査を通じて、会社の状態を正確に把握します。
これらの状況を把握することで、どのような手法で再生を進めるのがよいのか、という方向性の決定を行います。
(具体的には、返済の長期化のみで対応可能か、新たな資金の確保が必要か、債務の一部放棄を依頼するのか・・などです。)

事業の状況に関する調査(事業調査:事業デューデリジェンス)

事業内容・収益構造の分析や市場環境・業界動向等の分析を行います。
主な目的は、会社の事業の課題を抽出し、今後の方向性の検討を行うことと、利益を創出する力(正常収益力)を確認することです。
決算書(損益計算書)に関わる情報を中心に、「どの部分に課題があるのか」、「課題解決のためにはどのような方策が考えられるのか」等の内容を調査します。

財政状況に関する調査(財務調査:財務デューデリジェンス)

会社の資産/ 負債等の状態を中心に調査を行います。
決算書(貸借対照表)に関わる情報を中心に、決算書だけでは把握できない実態を明らかにし、実質的な純資産(資産- 負債)を把握します。
所有不動産等の時価や担保状況などについても調査を行います。
実態の把握では、過剰債務の有無や、今後の債務返済の可能性等についても検討を行います。
調査の結果、事業運営上必要性の低い資産の売却や処分の可能性についても検討します。

実態調査の結果から導き出される課題や指摘の例

事業全体の方向性
A. 事業の改善による収益向上の可能性→(選択と集中の対象?)
B. 事業の収益力の低さの指摘→(撤退の可能性検討?)
商品/ サービス
主力の提供商品/ サービスの価格や内容の見直し
販売促進
活用されていないホームページ(HP) の問題点の指摘
顧客満足度の低い口コミサイトの評価の改善
組織・人員
組織面での課題
サービス品質向上に向けた適材適所の配置見直し
費用対効果の低い専門派遣人材利用の課題
費用
削減可能な費用についての指摘
不動産
事業継続に必要性の低い不動産や車両の売却検討

2. 事業計画の策定

実態調査の結果、把握されたポイントに基づいて、事業内容の改善を具体化し、損益計画/CF(現金収支)を検討します。また、併せて財務内容の改善(資産の売却など)についても具体化します。

改善を進めた結果、「金融機関への返済が何年でできるのか」、「当面の事業改善が進むまでの期間、運転資金が追加で必要なのか」などを検討し、金融機関への依頼事項をまとめます。
具体的な依頼事項としては、債務の長期返済の依頼(リスケジュール)・新規融資の依頼、場合によっては一部の債務免除、などを検討します。

事業計画の策定例

事業全体の方向性
A. 事業への選択と集中
B. 事業の撤退
C. 事業の育成 ・・・等
商品/ サービス
主力商品/ サービスの内容の見直し
販売促進
ホームページ(HP) の全面見直し
口コミサイト対策の評価向上/ 活用強化
組織・人員
顧客向けサービス人員の配置見直し
高コストの専門派遣の内製化
費用
業績との関連性の低い費用の徹底した削減
・同一サービスに関する業者見直しによる削減
・付き合い的な費用に関する廃止
不動産
一部の不動産(倉庫利用)や車両(送迎用)の売却 等

3. 金融機関への計画提示

事業計画について、金融機関に説明し、必要な金融支援についても依頼を行います。その際に金融機関との間で意見調整を行い、必要に応じて事業計画の修正を行います。
複数の金融機関からの借入がある場合は、バンクミーティングという会議形式で質疑応答・意見調整を行うケースもあります。

金融機関への説明・意見調整の例

【金融機関への説明】
・事業計画の内容説明

↓

【金融機関からの意見】
・売上の見通しについて詳細な得意先別の情報がほしい
・経営管理体制について、更に見直しが必要ではないか など

↓

【意見調整・計画修正】
意見を基に見直しが必要な箇所について、会社と協議を行い事業計画を修正し再提出

↓

【金融機関への再説明】

4. 金融機関の同意

提出した計画を基に、金融機関の同意を得ます。
私的整理(民事再生や会社更生などの法的再生ではない手続き)においては、全金融機関の同意が必要となります。
金融機関毎に考え方や意見が異なる場合も少なからずあるため、複数回のバンクミーティング開催による意見調整や、事業計画の再提出などのケースもあります。
最終的に全金融機関からの同意を得ることが出来ると、事業計画は成立します。
事業計画の成立後は、計画の中に記載されている金融支援を得ると同時に、将来計画の達成を目指します。
尚、一般的に事業再生支援におけるコンサルティングは、この段階(金融機関の同意)までの支援が中心となります。

金融支援の例

・主力銀行を中心とした運転資金の融資
・全金融機関の借入金に対する長期間の返済スケジュール緩和
・一部の借入金の劣後化(※)、免除 など

(※)DDS(Debt Debt Swap)と言われる手法で、借入金を、劣後ローンに変更する手続きです。例えば、借入金の一部について、通常の元本返済を行う借入金と切り分けて、元本返済の対象とせず、「15年の一括返済」として劣後化する、などのケースがあります。

5. 定期的な情報開示

金融機関の同意を得ることが出来た後、多くの場合は2-3年の間は定期的な計画の進捗について報告を行う必要があります。
ケースバイケースですが3ヶ月から半年に一回程度は必須となるケースがほとんどです。
その場合に、計画との対比資料などを用意し、金融機関への説明を行うことになります。
金融機関への説明にあたり、コンサルタントが資料の作成や金融機関への同行説明を行う場合もあります。

金融機関への定期的な情報開示の例

・半年に一回の金融機関への訪問
・全金融機関を集めてのミーティングの実施

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